![]() この青い海に魅せられて・・・ |
![]() 誰かが作った砂の城 |
中米の国々を通ってきた僕はいよいよ南米へと進もうとしていた。パナマが通過困難であるため、コスタリカからサン・アンドレスというカリブ海の島に飛んだ。この島はコロンビア領ながらコスタリカにとても近く、ここからはコロンビア本国へ国内便で気軽に行けるわけだ。
まるっきり通過のために訪れただけに空港に降り立った時の驚きは大きかった。エメラルド・グリーンの帯が目の前にバシーッと広がったのである。こんな鮮やかな色が実際に存在するとは思わなかった。これがまさしくカリブ海の珊瑚礁である。とにかく急いで安ホテルを探し、吸い込まれるような青い珊瑚礁の砂浜をふらふらと歩いてみた。泳いでも行けそうな距離に小さな島が浮かんでいて、その手前一面はとにかく水がまぶしいくらいのエメラルド・グリーンだ。泳いでいる人の黒い肌がキリッと冴えて見える。もちろんリゾート地として人気の高い島だけに世界中の旅行者がバケーションを楽しんでいる。島は自転車で2〜3時間もあれば1周できる大きさで、あちらこちらに行って泳いでみた。ボートで少し沖に出るツアーでシュノーケリングをすると、なんと僕の周りにカラフルな魚が泳いでいて、さながら水族館の中にいるようだった。
ある日、浜辺の木陰で日記を書いていた。少し離れたところでカラフルな水着を着た浅黒い肌の女性が体操をしていた。その女性が僕に話しかけてきた。一人でいる東洋人に興味を持ったのか、その日の夜にあるピアノのリサイタルに誘ってくれた。リサイタルの後、わずかな時間だったが僕たちは一緒に散歩をした。彼女はここサン・アンドレス出身で今は首都ボゴタの大学院で文学を勉強していると話してくれた。黒人、白人、ラテン系、中国系の血が流れ、とても魅力的な人だった。彼女はボゴタの住所をくれたので僕はボゴタにいる間も彼女のお世話になった。以来、ずっと僕たちは連絡をとっているが、僕は世界中を放浪、そして彼女はスペインやドイツで勉強をかさねている。お互い常に動いていて一度も会うことがないが、このフレンドシップが青い海の思い出とともにずっと続いてくれればいいと思っている。